25 慢性腎臓病における食事療法

腎臓の主要な役割は、老廃物の除去と血液の浄化であり、 これ以外にも、余剰水、ミネラルおよび化学物質の除去、 体内の水およびナトリウム、カリウム、カルシウム、リン そして重炭酸塩といったミネラルの調整といった重要な 役割を担っています。

慢性腎臓病(CKD)の患者では、体液と電解質の調節が乱 れている可能性があります。このことによって通常(量) の水分、食塩あるいはカリウムの摂取でさえ体液と電解質 バランスの深刻な障害を引き起こすことがあります。

機能障害のある腎臓への負担を軽減し、水・電解質異常を さけるために、慢性腎臓病の患者は医師と栄養士の指導に したがい食事内容を修正する必要があります。CKD 患者に 対しこれとはっきり決まった食事はありません。個々の患 者はそれぞれの臨床状態、腎障害のステージ、およびその 他の医学的問題にあわせてそれぞれが異なった食事のア ドバイスを受けることになります。食事に関するアドバイ スは、同じ患者であってさえもその時々に変更が必要とな ります。

CKD 患者における食事療法の目的は、

  1. 慢性腎臓病の進行を遅らせ、また透析導入を遅らせる こと
  2. 血中の過剰な尿素の毒性作用を軽減すること
  3. 最適栄養状態を保ち、除脂肪体重の減少を防ぐこと
  4. 水・電解質異常のリスクを減らすこと
  5. 心血管疾患のリスクを減らすこと

CKD 患者における食事療法の基本原則

  • タンパク摂取量は、0.8 g/kg/日まで制限
  • エネルギー補給のため十分な炭水化物を与える
  • 適度の脂肪を与え、バターや油の摂取を減らす
  • 浮腫がある場合には水分の摂取制限をする
  • 食事におけるナトリウム、カリウム、リンの量を制限 する
  • 適切な量のビタミン、微量元素を与えること。高繊維 食が推奨される

CKD 患者における食事療法の詳細

高カロリー摂取

日常活動および体温や成長そして適正体重を維持するに はカロリー摂取が必要です。カロリーは主に炭水化物、脂 肪によって供給されます。CKD 患者において通常必要なカ ロリー数は35-40 kcal/kg/日です。カロリー摂取量が不十 分であれば、カロリー供給のために蛋白質が用いられます。 この蛋白質の分解は、栄養不良や老廃物の増加といった有 害事象を引き起こす可能性があります。従って、CKD 患者 では、十分な量のカロリーを供給することが必要不可欠で す。必要カロリー量を計算するに当たっては、患者の現在 の体重に基づいてではなく、理想体重に基づいて計算する ことが重要です。特に、元々栄養不良が存在する患者や、 糖尿病に伴うCKDの患者では、おそらく現体重は理想体重 よりも減少あるいは増加してます。

炭水化物

炭水化物は、体の主要なカロリー源です。炭水化物は、小 麦、穀物、米、ジャガイモ、果物と野菜、砂糖、ハチミツ、 クッキー、ケーキ、お菓子や飲み物に含まれています。糖 尿病患者や肥満患者は炭水化物の量を制限する必要があ ります。炭水化物は、全粒小麦、玄米や大豆、小豆、ハト ムギのような雑穀などの食物繊維も含む穀物から摂取す るのがベストです。これらの穀物が炭水化物摂取量の大部 分を占めるべきであり、あるいはその他すべての単糖を含 む食品の摂取量は炭水化物摂取量の 20%を超えるべきで はありません。

脂質

脂質は、体にとって重要なカロリー源であり、炭水化物や 蛋白質よりも2倍以上のカロリーを有しています。オリー ブ油、ピーナッツ油、キャノーラ油、サフラワー油、ヒマ ワリ油、 魚、 ナッツなどの不飽和脂肪酸、 いわゆる “良い” 脂肪は、赤肉、鶏肉、全乳、バター、生クリーム、チーズ、 ココナッツ、 ベーコンなどの飽和脂肪酸、 いわゆる “悪い” 脂肪に比べて体に良いといわれています。飽和脂肪酸やコ レステロールは、心臓病や腎臓障害の原因となるため摂取 量を減らすべきでしょう。

不飽和脂肪酸の中での一価および多価不飽和脂肪酸の割 合に注意を払うことが重要でです。ω-6/ω-3 比が低いこ とは有益な効果を発揮する一方で、 ω-6多価不飽和脂肪酸 (PUFA)およびω-6/ω-3 比が過度に高いことは有害にな ります。単一のオイル使用よりもむしろ、植物油の混合物 のほうが目的を達成するでしょう。揚げ物、ポテトチップ ス、ドーナツ、商品として加工されたクッキーやケーキな どように、トランス脂肪酸を含むものは、有害な可能性が あり避けるべきです。

タンパク摂取制限

タンパク質は、身体組織の修復および維持に必須です。ま た、創傷の治癒を助け感染防御にも重要です。タンパク質 制限は、腎機能の低下速度を減少させるため、透析や腎移 植の必要性を遅らせます。しかし、過度のタンパク質制限 は回避せねばならなりません。食欲不振は、CKD 患者では よくみられます。食欲不振と同時に、厳格なタンパク質制 限を行ってしまうと、栄養不良、体重減少、エネルギーの 欠如、抵抗力の欠如を引き起こしてしまいます。つまり、 死のリスクを増大させるのです。

消費されるタンパク質の質を向上させることに重点を置 くべきでしょう。 生物学的価値の高いタンパク質 (0.4-0.6 g/kg)を含んだものを食べることに注意を払わなければな りません。そのような食品としては、卵、牛乳、大豆、豆 腐、納豆、サケ、鶏ムネ肉などがあります。

3. 水分摂取

なぜCKDの患者は水分摂取で予防措置を講じなければなら ないのでしょう?
過剰な水分を尿として排泄することで、腎臓は体内の水分 量を適切に維持する上での主要な役割を果たしています。 CKD 患者では、腎機能が悪化するにつれて通常尿量は減少 します。尿排泄が減ることで体に過度の水分が貯留し、結 果として顔や四肢の浮腫、高血圧を引き起こします。肺の

液体貯留は息切れの原因となります。これが制御できなく なると生命を脅かされてしまいます。

体内の水分過剰の兆候は?

体内の過剰な水は、体液過剰と呼ばれています。腫脹、腹 水(腹腔内の体液貯留)、息切れ、および短期間での体重 増加は、体液過剰を示す兆候です。

CKD 患者は、水分摂取をコントロールするために、どのよ うな予防策を取るべきでしょうか?
体液過剰または欠乏を回避するために、医師が推奨するよ うな水分量を摂取すべきでしょう。体内水分量はそれぞれ のCKD患者により異なり、それぞれの尿量や体液の状態に 基づいて算出されています。

CKD 患者に対して推奨される水分摂取量はどれくらいでし ょうか?

  • 浮腫がなく十分な尿排泄がある患者では、無制限の水 分摂取が認められています。しかし、CKD患者では腎臓 を保護するために水分を大量に取るべきだ、というの は誤っている。
  • 浮腫があり尿排泄が減少している患者は、水分摂取を 制限するように指示されている。浮腫を減らすために、24 時間での水分摂取量が一日の尿量未満でなければな らない。

    § 体液過剰または欠乏を避けるために、前日の尿量+ 500ml=摂取可能な水分量、と通常設定する。水分の追 加 500ml は、およそ発汗や呼吸による水分損失を補う 量である。

なぜCKD患者は毎日自分の体重を記録しなければならない のでしょうか?
体液量をモニターし、いち早く体液の増減を発見するため に、患者は日々の自分の体重を計測し記録する必要があり ます。水分摂取量の指示が厳密に守られている場合は、体 重は一定のままで維持することができます。突然の体重増 加は、水分摂取の増加による体液過剰を示しています。体 重増加は患者に対してさらに注意深い水分制限の必要性 を示唆します。体重の減少は通常、水分制限と利尿薬に対 する反応の複合効果として起こります。

水分摂取を減らすコツ
水分摂取制限は難しいことですが、以下の点が役立つでし ょう

  1. 毎日決まった時間に体重を測り、それによって水分摂 取量を調整しましょう。

  1. 医師から 1 日の水分摂取の上限量の指導を受けましょ う。それに応じて、毎日適切に計算し、計量したうえ で水分を取りましょう。単に水だけではなく、お茶、 コーヒー、牛乳、チーズ、バターミルク、ジュース、 アイスクリーム、スープ、カレー等も水分摂取に含ま れることを忘れてはいけません。食物に含まれる目に 見えない水分量も計算しなければなりません。スイカ、 ぶどう、レタス、トマト、セロリ、肉汁、ゼラチン、 アイスキャンディーのような氷菓子等は水分を多く含 むので注意が必要です。
  2. 塩気の多いもの、辛いもの、揚げものを食べると、口 渇感が増して過剰な水分摂取を招くのでなるべく避け ましょう。
  3. 本当にのどが渇いた時だけ水を飲みましょう。周りの 人が飲んでいるから飲んだり、習慣的な飲水をやめま しょう。
  4. のどが渇くときは少量の水分を摂るか、氷を試してみ るのもよいでしょう。小さい氷を口に含んでなめまし ょう。氷は液体の水よりも口の中にとどまる時間が長 いため、同じ量の水よりも高い満足感が得られます。 ただし、氷も水分摂取量に含めることを忘れてはなりません。計算を簡単にするために、氷のトレイに割り 当てられた量の水を入れて凍らせましょう。

  1. 口渇感を減らすために、うがいをして水を飲み込まな いという方法もあります。ガムを噛んだり、飴やレモ ン・ミントをなめたり、口腔内を潤すための洗口液の 使用も口渇感を減らすのに有用です。
  2. 水分摂取を減らすために、小さいコップやグラスを使 いましょう。
  3. 薬の服用のために余計な水分をとられたくないときは、 食後に薬を飲みましょう。
  4. 作業に没頭するのがよいでしょう。暇な時ほど頻繁に 水を飲みたくなります。
  5. 糖尿病患者においては高血糖状態では口渇感が増しま す。口渇感を減らすためには厳格な血糖コントロール が欠かせません。
  6. 暑い環境は口渇感を助長するため、涼しく快適な環境 で生活することが望まれます。

どのようにしたら、1 日に決められた量の水分を正確に測 定して摂取できるでしょうか?

  • 医師が決めた 1 日の水分摂取量と全く同じ量の水で容 器を満たしてみましょう。
  • 1 日にそれ以上の水分をとることは決して許されない ということを、頭に叩きこまなければなりません。
  • ある量の水を飲むとき、容器から同量の水を出して、 捨てるのです。
  • 容器から水がなくなった時、 1日の水分摂取の上限に達 してそれ以上の飲水はできなくなったということにな ります。余計な水分摂取を避けるために、1日の水分摂 取量を1日を通して均等に配分するようにします。
  • この水分摂取コントロール法を毎日くり返しましょう。
  • 単純ではありますが、とても効果的なこの手法を用い ることで、決められた 1 日の水分摂取量をしっかり確 保しつつ、水分制限もすることができます。

4. 塩分(ナトリウム)制限

どうしてCKD患者はナトリウム制限食としなければならな いのでしょうか?
食事におけるナトリウム摂取は、体にとって血管内容量を 確保し、血圧をコントロールするために重要です。腎臓は 体内のナトリウムを調整するのに大切な役割を担ってい ます。しかしCKD患者においては、腎臓は過剰なナトリウ ムと水を体から排泄することができないため、ナトリウム と水が体内に貯留してしまいます。

体内にナトリウムが貯留すると、口渇感の増加、むくみの 出現、息切れ、血圧の上昇などにつながります。これらの 問題が起きないようにするために、CKD 患者は食事におけ るナトリウム摂取を制限しなければならないのです。

ナトリウムと食塩はどう違うのでしょう?
ナトリウムと食塩はふつう同じ意味で使われます。一般的 な食塩は塩化ナトリウムとして 40%のナトリウムを含みま す。私たちの食事において最も一般的なナトリウム摂取源 となるのは食塩ですが、食塩以外にも以下のようなナトリ ウム摂取源となるものがあります。

  • アルギン酸ナトリウム:アイスクリームやチョコレー トミルクに使用されています
  • 重炭酸ナトリウム : ベーキングパウダーやソーダに使用 されています。
  • 安息香酸ナトリウム : ソースの防腐剤に使用されていま す。
  • クエン酸ナトリウム:ゼラチンやデザート、飲料の風 味を高めるために使用されています。
  • 硝酸ナトリウム:加工肉の防腐剤・着色剤として使用さ れています。
  • サッカライドナトリウム : 人工甘味料として使用されて います。
  • 亜硫酸ナトリウム : ドライフルーツの退色防止剤として 使用されています。

上に挙げたものはナトリウムを含みますが、塩辛い味はし ません。ナトリウムはこれらの配合物の中に隠れて潜んで いるのです。

どのくらいのナトリウムを摂取すべきなのでしょうか?
日本の人々の1日の塩分摂取量の平均は約11g/日です。 CKD 患者は医師の提言にもとづいて塩分摂取するべきです。浮 腫や高血圧をきたしている CKD 患者については約 6g/日の 塩分制限となることが多いようです。

どのような食べ物にナトリウムが多く含まれるのでしょ うか

ナトリウムを多く含む食物

  1. 食塩 (精製された一般的な塩)、 ベイキングパウダー。
  2. 梅干し、塩辛、ザーサイ
  3. ビスケットやケーキ、ビザやパンのような焼いた食品。
  4. 重曹またはベイキングパウダー を含む食品。
  1. ウエハース、 チップス、 ポップコーン、 塩味の落花生、 塩で味付けされたカシューナッツ、ドライフルーツ、 ピスタチオ、缶詰など。
  2. 既製品の塩入りのバターやチーズ。
  3. 麺やスパゲッティー、マカロニ、コーンフレークなど のインスタント食品。
  4. キャベツやカリフラワー、ほうれん草、大根、などの ような野菜。
  5. 醤油、味噌、ソース。
  6. 重炭酸ナトリウム錠、制酸剤、下剤のような薬剤。 1
  7. 食肉や鶏肉のような食品と動物のモツ。 1
  8. カニ、ロブスター、カキ、エビのような海鮮と秋刀魚 や干物

食べ物から摂取するナトリウムを減らすコツ

  1. 塩分摂取量を制限し、食事中の余分な塩分や重曹を避 ける。塩抜きで食べ物を調理し、別に許容量の塩を加 える。これは塩分摂取量を減らし、毎日の食事の中で 規定量の塩分摂取を確保する最良の方法です。
  1. ナトリウムを多く含む食べ物(上記)を避ける。
  2. 食卓に塩や塩味のある調味料を出さない、または食卓 に塩を置かない。寿司、刺身、漬物などの食べ物に塩 醤油を加えない。
  3. 市販されている食品のラベルを注意深く読む。塩分だ けでなく、ナトリウムを含む他の化合物についても見 る。 ラベルを注意深くチェックし、 “ナトリウムなし” や“低ナトリウム”の食品を選ぶ。
  4. 内服薬のナトリウム含有量に注意する。
  5. ナトリウムが多い野菜はゆでこぼす。 これで野菜 含ま れるナトリウムを減らすことができる。
  6. 減塩食をおいしくするために、ニンニクやタマネギ、 レモンジュース、アムチュール、月桂樹の葉、酢、シ ナモン、などを用いてもよい。
  7. 注意!カリウムを多く含む塩の代替品の使用は避ける。 カリウムを多く含む塩の代替品は CKD 患者においては 血中カリウム濃度を上昇させるため危険である。
  8. 軟水は飲まない。水を軟化する過程で、カルシウムが ナトリウムに置換されるため。逆浸透精製水は、ナト リウムを含むすべてのミネラル含有量が少ない。
  1. レストランで食事をする際は、ナトリウムの少ない食 べ物を選ぶ。

5. カリウム制限

なぜCKD患者に食事中のカリウム制限が推奨されるのでし ょうか。
カリウムは人体にとって重要なミネラルです。カリウムは 体内において筋肉、神経の適切な機能、規則正しい心拍の 維持に必要です。

通常、体内におけるカリウムの濃度は、カリウムを含む食 べ物からの摂取と過剰なカリウムの尿中への排泄でバラ ンスが取れています。慢性腎臓病患者では過剰なカリウム の尿中排泄を認め、血中のカリウム濃度が高くなってしま います(高カリウム血症の状態)。血液透析患者に比べて 腹膜透析患者の方が高カリウム血症のリスクは低いです。 両者の違いは、血液透析が断続的であるのに対して腹膜透 析は連続的であるという透析方法の違いによるものです。 高カリウムの状態は筋力の深刻な低下や不整脈を引き起 こし、危険です。カリウムが非常に高値のときは、予期せ ぬ心停止がおき、突然死を引き起こします。高カリウムの 状態は、顕著な症状や徴候なしに生命を脅かします(それ ゆえサイレントキラーとして知られています)。

高カリウムによる深刻な結果を避けるため、CKD 患者では 食事中のカリウム制限が推奨されています。

血中のカリウム濃度の正常域は?いくつを高値とみなす のでしょうか?

  • 正常域は3.5 mEq/l~5.0 mEq/l
  • 血中カリウム濃度が5.0~6.0 mEq/lに達したとき、食 事内容の見直しが必要となる。
  • 血中カリウム濃度が 6.0 mEq/l 以上では危険であり、 カリウムを下げるための積極的な介入が必要となる。
  • 血中カリウム濃度が 7.0 mEq/l 以上では生命を脅かし うる状態であり、緊急の治療が必要となる。

カリウム濃度別の食べられる食物分類

適正な血中カリウム濃度を維持するために、医師により食 事指導が行われます。カリウムの内容量によって、食べ物 は三つのグループに分けられます(カリウム含有量が多量、 中等量、少量)。

カリウムが多い食品・・・カリウム含有量が食物100g中、 200mg以上

カリウムが 中等量 の食品・・・ 同 100 - 200mg

カリウムが少ない食品・・・ 同 100mg以下

食品 - カリウムが多いもの

  • 果物: 熟したバナナ、チェリー、ブドウ、キウイフル ーツ、レモン、熟したマンゴー、マスクメロン、桃、 アボガド、干し柿、さくらんぼ。
  • 野菜: ナス、ブロッコリー、サトイモ、マッシュルー ム、ジャガイモ、ほうれん草、サツマイモ、山芋、パ セリ、切り干し大根、モロヘイヤ、かぼちゃ。
  • ドライフルーツ: アーモンド、カシューナッツ、ナツ メヤシ、乾燥イチジク、レーズン、クルミ。
  • 穀物: アマランサス、とうもろこし、玄米。
  • 豆類: 豆大豆、きな粉、小豆、えんどう豆、納豆。
  • 香辛料: クミン、コリアンダーの種、乾燥赤唐辛子、 コロハ種子。
  • ノンベジタリアン料理: 魚(アンチョビ、さば、甲殻 類(エビ、ロブスター、カニ)、牛肉。
  • 飲み物: 抹茶、こんぶ茶、玉露、豆乳、コーヒー、練 乳、チョコレート、新鮮なフルーツジュース、スープ、 ビール、ワイン、多くの炭酸飲料。
  • その他: チョコレート、チョコレートケーキ、チョコ レートアイスクリーム、ポテトチップス、トマトソー ス。

食品-カリウムが中等量のもの

  • 果物: ライチ、甘いライム、ザクロ、スイカ。
  • 野菜: 甜菜、バナナ、ゴーヤ、キャベツ、ニンジン、 セロリ、カリフラワー、サヤインゲン、オクラ、玉ね ぎ、カボチャ、大根、トウモロコシ、ベニバナの葉、 トマト。
  • 穀物: 大麦、汎用小麦粉、アズキモロコシ、小麦粉か ら作られた麺類、
  • ノンベジタリアン料理: マグロ、アジ、スズキなど。
  • 飲み物: 牛乳、カード(凝乳)
  • その他: 黒コショウ, クローブ

食品-カリウムが少ないもの

  • 果物: アップル、 ブラックベリー、 チェリー、 グアバ、 オレンジ、熟したパパイヤ、ナシ、パイナップル、イ チゴ。
  • 野菜: ヒョウタン、ソラマメ、トウガラシ、キュウリ、 ニンニク、レタス、グリーン ピース、生マンゴー、
  • 穀物: 米、ラバ、粉小麦粉。
  • 豆類: グリーンピース

  • ノンベジタリアン料理: 牛肉、ラム、ポーク、鶏、卵。
  • 飲み物: 水牛乳、 コカコーラ、 ファンタ、 レモネード、 ライム果汁、ソーダ。
  • その他: 乾燥生姜、蜂蜜、ミントの葉、マスタード、 ナツメグ、酢。

食品中のカリウムを減らすための実用的なコツ

  1. 一日に摂取する果物は1つにする、カリウム含有量が 少ないものがより好ましい。
  2. のコーヒーまたは紅茶は一日一杯とする。
  3. カリウムの量を減らす処理後にカリウムを含む野菜を 摂取すべき(下記参照)。
  4. ココナッツウォーター、 フルーツジュース、 高カリウム の食材(上記参照)を避ける。
  5. ほとんどすべての食材にはいくらかのカリウムが含ま れる。 そのため、 重要なことは可能な限り低カリウム含 有の食品を選ぶ。
  6. カリウム制限は保存期 CKD 患者だけでなく維持透析患 者にも必要である。

どのように野菜のカリウム含量を減らすのでしょうか?

  • 皮をむき、小さくカットする。
  • ぬるま湯で野菜を洗い、それらを大きな鍋に入れます。
  • 鍋にお湯を入れて (水の量は野菜の量の 4~5 倍必 要) 、少なくとも 1 時間浸す。
  • 野菜を 2 〜 3 時間浸した後に 3 回ぬるま湯で洗い 流してください。
  • 次に水で野菜を茹でて、その水は捨てて下さい。
  • 希望に応じて茹でた野菜を調理して下さい。
  • このように野菜のカリウムの量を減らすことができ ますがこの方法では完全ではありません。だから高カ リウムを含む野菜を控え、多く食べ過ぎないことをお 勧めします。
  • ビタミンは調理された野菜では失われてしまうので、 医師の指示に従ってビタミンのサプリメントを取るべ きです。

ジャガイモからカリウムを取り出すための特別なコツ

  • ジャガイモをさいの目に切ったり、スライスしたり、 すりおろして小さくすることが重要です。この方法に よって水にさらされるジャガイモの表面を最大化しま す。
  • ジャガイモを浸す場合も茹でる場合も使用される水 の温度は重要です。
  • ジャガイモを大量の水で浸たす又は茹でることが有用 です。

6.食事療法におけるリンの制限

なぜ CKD 患者は、低リン食を取る必要があるのでしょう か?

  • リンは骨の強度と健全さを維持するために不可欠なミ ネラルである。通常、食品中の余分なリンは、尿中に 排泄され、それによって血中リンレベルが維持される。
  • 血中のリンの正常値は4.0-5.5 mg/dlである。
  • CKD 患者では食事で摂取した余分なリン尿中排泄障害 を呈するため、 血中濃度が上昇する。 このリンの上昇は、 骨からカルシウムを排出させ骨を脆弱化させる。
  • リン濃度の増加は、かゆみ、筋肉や骨の脆弱性、骨の痛 み、 骨硬化や関節の痛みのような多くの問題を引き起こ す可能性がある。骨硬化の結果、骨折し易くなる。
リンを多く含む食品の摂取は減量、または避けるべきでし ょうか?

リンを多く含む食品は、次のとおりです。

  • 牛乳や乳製品:バター、チーズ、チョコレート、コン デンスミルク、アイスクリーム、ミルクセーキ。
  • ドライフルーツ:カシューナッツ、アーモンド、ピス タチオ、ドライココナッツ、クルミ。
  • 冷たい飲み物:ダークコーラ、ファンタ、ビール。
  • ニンジン、トウモロコシ、落花生、新鮮なエンドウ豆、 サツマイモ。
  • 動物性タンパク質:肉、鶏肉、魚、卵。

7.ビタミンや食物繊維を多く含む食品の摂取

透析導入前のCKD患者は、食事摂取量の減量や過剰なカリ ウムを取り除く特別な調理法や食欲不振により、ビタミン 補給不足に悩まされています。いくつかのビタミンのうち、 特に水溶性のビタミン B と C、葉酸などが透析中に失われ ます。

これらのビタミンの摂取不足や喪失を補うためにCKD患者 は通常、水溶性ビタミンや微量元素の補充を必要とします。 食物繊維を多く含む食品の摂取はCKD患者において有益で す。だから、患者はビタミンや食物繊維が豊富な、より新 鮮な野菜や果物を取ることを指導されます。

日々の食事の設定

CKD 患者のために毎日の食事摂取量と水分摂取量は、腎臓 専門医のアドバイスに従い栄養士によって計画されてい ます。

食事計画の一般的な原則は以下のとおりです。
1.水分摂取: 水分摂取制限は医師のアドバイスに従って行

わなければならない。毎日の体重測定を継続する必要があ る。不適切な体重増加は水分摂取量の増加を示している。

2.炭水化物: 体は穀物や豆類で十分なカロリーを確実に摂 取するため、糖尿病ではない場合は、患者は砂糖やグルコ ースを含む食品を摂取することが出来る。

3.タンパク質: 牛乳、穀物、豆類、卵、鶏肉はタンパク質 源である。透析導入されていないCKD患者は、食事中の蛋 白質を減量することを指導される。1日あたり0.8 g/kgの タンパク質の摂取を指導される。透析が開始されると、患 者 (特に腹膜透析の患者) は、 高タンパク食が必要となる。 肉、鶏肉、魚などのタンパク質、カリウムとリンが多く含 まれている動物性タンパク質を食べることは避けるべき である。すべての動物性タンパク質は、CKD 患者に有害に なりうる。

4.脂肪: 食品中の脂肪の量は減量しなければならないが、 食品からのバターやギーの摂取を切り詰めることはリス クとなる。一般に、大豆油、落花生油は身体に有用である が、摂取量制限は守る必要がある。

5.塩分: ほとんどの患者は、 低塩食を取るよう指導される。 テーブルに塩をおいてはいけない。ベーキングパウダーで 調理した食品を摂取してはいけない。もし摂取する場合、 限られた量の使用か確認しなさい。代用塩はカリウムを多く含むため使用は避けなさい。

6.穀物: 米製品は摂取可能である。味の単調さを避けるた めには小麦、米、ポハ、サゴ、セモリナ、コーンフレーク などの穀物をローテーションし摂取可能である。大麦は、 トウジンビエ、およびトウモロコシも摂取可能であるが、 少量にすべきである。

7.豆類: 味の変化によって食物が口に合うように、さまざ まな種類のダール(インドの豆料理)を、適切な量でロー テーションし摂取するべきである。ダールは液体であり、 ダールを食べた際の水分摂取量も計算しないといけない。 可能な場合、水分量を多くするのではなく、ダールを濃く する方が好ましい。 ダールの量は、医師の指示に従って 行われなければならない。

8.野菜: カリウムをあまり含まない野菜であれば自由に摂 取できる。しかし、カリウムを多く含む野菜は摂取する前 に、カリウムを除去する処理をしなければならない。味を 良くするためにレモンジュースを加えてもよい。

9.フルーツ: りんご、パパイヤ、ベリーのような低カリウ ム含有量のフルーツは一日一回程度であれば摂取可能で ある。透析日には、好きな果物を取ることができる。フル ーツジュースとココナッツ水は避けなければならない。

10.牛乳および乳製品: 300〜350ml のミルクやキール、ア イスクリーム、豆腐、maththa などの乳製品は摂取可能で ある。余分な水分摂取を避けるために、量は制限する。

11.冷たい飲み物: ペプシ、ファンタ、フルーティは避け なければならない。フルーツジュースやココナッツ水を摂 取してはいけない。

12.ドライフルーツ: ドライフルーツ、落花生、ゴマ、生 ココナッツ、乾燥ココナッツは避けなければならない。